メンズエステのお仕事とは
メンズエステの仕事は、主に男性客にオイルを使ったマッサージやリンパマッサージを施し、リラックスできる空間を提供することです。男性客は施術ルームに足を運び、最初にシャワーを浴びた後、基本的に紙パンツ姿でうつ伏せや仰向けの施術を受けます。セラピストの役割は、肉体的なリラクゼーションを提供するだけでなく、精神的な癒しを与えることも大切です。
セラピストに求められるスキル
セラピストに求められるスキルには、オイルマッサージの技術、お客様に癒しを提供するホスピタリティ、そして清潔感が挙げられます。マッサージ技術の習得には時間がかかるため、未経験でも始めやすい仕事ですが、常に向上心を持ち、スキルを高めることが大切です。
また、メンズエステは接客業でもあるため、お客様との会話を楽しませることも重要な要素です。映画やドラマ、旅行、スポーツなど幅広い経験を積んでおくと、会話の引き出しが増え、よりスムーズにコミュニケーションが取れるでしょう。
さらに、お客様と密に接する機会が多いため、美容やボディケア、ボディメイクに気を配ることで、より好印象を与えやすくなり、人気のセラピストを目指すことができます。
メンズエステと一般エステの違い
メンズエステと一般のリラクゼーションエステの違いは、主に以下の点にあります。
- 完全個室での施術が一般的で、セラピストと男性客が二人きりになることが多い
- オイルマッサージやリンパマッサージが中心で、密着感のある施術が特徴
- 衣装や接客スタイルにこだわりがあり、男性客が楽しめる要素が多い
- 施術料金が割高に設定されている
リラクゼーションエステが純粋に身体のケアを目的としているのに対し、メンズエステはリラックスに加え、非日常的なドキドキ感を求める男性客が多いことが特徴です。そのため、施術料金は高めに設定され、セラピストの容姿や年齢も重視される傾向にあります。
メンズエステの給料システムを解説
メンズエステの給料システムは、一般的にアルバイトの時給や月給などとは違い、完全歩合制であることが基本となっています。
①基本料金のバック(コース料金の●●%)
②指名料バック
③オプション料バック
④キャンペーン・ボーナス(店舗により異なる)
上記の合計金額がセラピストの給料となり、施術をこなした分だけ収入が増える仕組みになります。
給与の他に、下記のような手当やお祝い金を用意している店舗もあります。
- 出張手当
- 指名手当
- 繁忙期手当
- 連勤手当
- 通勤手当
- 入店祝い金
- 友達紹介金
1日5時間勤務(3本接客)
・90分コース×3本(15,000円×50%)=22,500円
・指名料2件(2,000円×2)=4,000円
・オプション2件(3,000円×50%×2)=3,000円
1日の収入:29,500円
月間20日出勤の場合
29,500円×20日=約59万円

リピーターのお客様がしっかり付いているベテランセラピストは、月給100万円を超えている人も多いですよ✨
バック率の相場を知る
店舗によってバック率は様々ですが、相場として以下の割合を参考にお店探しをしてみましょう。
- 新人・未経験者:40%~50%
- 経験者・リピーター多数:50%~60%
- 人気セラピスト・指名多数:60%~70%
- フリーランス・個人経営:70%~90%(経費差引後)
指名料は1,000円〜3,000円くらいが相場
店舗によって100%セラピストにバックするところもあれば50%バックなど様々。
指名数が多くなると指名料のバック率が高くなっていくケースもある。
店舗によって100%セラピストにバックするところもあれば50%バックなど様々。
歩合給と保証制度の違い
歩合給は施術をした分だけ収入が発生する給与体系であるのに対し、保証制度は一定の時間働けば日給が保証される制度です。
一般的なアルバイトでは、労働時間に対して時給や日給が支払われる保証制度が主流ですが、メンズエステでは歩合給を採用している店舗がほとんどです。
ただし、完全歩合制ではなく、歩合給と保証制度の両方を取り入れている店舗もあるため、店舗を選ぶ際には給与体系をしっかり確認することが重要です。
メンズエステでは完全歩合制が一般的ですが、歩合給と保証制度を組み合わせた給与体系(ハイブリッド型)を採用している店舗もあります。これは、一定の最低保証を受けながら、施術をこなした分だけ追加で報酬が得られる仕組みです。
例えば、出勤しても予約が入らなかった場合、完全歩合制の店舗ではその日の収入がゼロになってしまいます。しかし、保証制度を導入している店舗であれば、一定の最低保証給が支払われるため、収入の不安を軽減できます。
特に、メンズエステ未経験者は最初の集客に苦労することが多いため、最低保証制度のある店舗を選ぶと安心して働けます。
日払いOKか確認する
ほとんどのメンズエステが給料日払いに対応していると思いますが、念のため確認しておきましょう。
日払いとは、施術をしたその日に現金で給与を受け取れる制度のことです。すぐに現金が手に入るので、モチベーションが上がりやすく、給料の未払いリスクを負うこともありません。



お客様がクレジット支払いで現金の売り上げが無い時や、保証給の場合は次回出勤時にまとめて精算になるお店もあります。足りなかった分を銀行振り込みのお店もありました。
指名制度を理解する
メンズエステでは、基本的に指名制度を導入している店舗がほとんどです。指名には大きく分けて「パネル指名」と「本指名」の2種類があり、さらにセラピストを指名しない「フリー予約」という方法もあります。
男性客がHPやSNSを見てセラピストを指名予約することを「パネル指名」と言います。
パネル指名を増やすには、HPやSNSに掲載される写真や紹介文が重要なポイントになります。多くの男性客は、それらを参考にしてセラピストを選ぶため、以下のようなセルフブランディングが効果的です。
- 自分を魅力的に見せる写真を投稿する
- 予約が入っていることをアピールする(「本日満了」などの投稿)
- 人気があることを演出する(リピーターの多さや口コミの活用)
こうした工夫をすることで、男性客の興味を引き、パネル指名を増やすことができます。
本指名とは、男性客が一度施術を受けたセラピストを再度指名することを指します。
本指名を獲得できるかどうかはセラピストの技術や接客の腕にかかっており、初回の施術でどれだけ満足度を高められるかが鍵となります。
パネル指名を長期間にわたって継続的に獲得し続けるのは難しく、セラピストとして安定した収入を得るためには、本指名客を増やすことが重要です。本指名が増えれば、リピーターが定着し、結果的に収入アップにつながります。
指名がつくとシフトの融通が利きやすい
パネル指名や本指名が増えてくると、指名を多く取れるセラピストは希望のシフトが通りやすくなる傾向があります。
指名のないフリー客を狙うセラピストと、指名が多いセラピストでは、後者の方が売上の見込みが立ちやすいため、お店から優遇されることが多いでしょう。安定した指名を持つセラピストは、店舗にとっても貴重な存在となるため、希望のシフトが通りやすくなったり、待遇が良くなるケースもあります。
長時間勤務より短時間集中の方が効率的
週に1回12時間勤務するよりも、週に2回6時間勤務する方が効率的だと考えられます。
短時間勤務だとお客様が入らないこともありますが、6~8時間の勤務であれば、2~3人の接客が可能です。
また、どうしても短時間しか働けない場合は、お客様と事前に連絡を取り、都合の合う時間に合わせて出勤するのがおすすめです。これにより、2~4時間の短時間勤務でも、待機時間なしで1~2人の接客ができ、効率よく稼ぐことができます。
お店のルールをしっかり守る
お店によってルールは異なりますが、働く上での最低限の決まりはしっかり守ることが大切です。
シフトを無断で休んだり、遅刻が続くとお店の信用を失い、希望のシフトに入りにくくなる可能性があります。
特に、予約が入っている場合にキャンセルすると、お客様にも迷惑がかかり、リピーターを失う原因にもなりかねません。
また、出勤連絡や入室・退室の報告など、小さなルールでも仕事をする上では重要な「報連相」の一環です。
お店のスタッフとの関係を円滑にし、働きやすい環境を作るためにも、細かいルールを守ることが大切です。
出勤から退勤までの流れ
- 出勤1時間前にお店に出勤確認の連絡
- お部屋に入り、お店に入室連絡
- お客様のお迎え準備(接客に必要な備品や部屋の状態をチェック)
- お客様入室・施術開始
- お客様退室
- 次のお客様のための準備(備品補充・部屋の清掃)
- 退勤時間になったら、お部屋を掃除し精算後、退室
- お店に退室連絡
- 出勤1時間前にお店に出勤確認の連絡
- 入室(お店のスタッフが準備してくれる場合もあり)
- お客様のお迎え準備(店舗によってはスタッフが準備)
- お客様入室・施術開始
- お客様退室
- 次のお客様のための準備
- 退勤時間になったら、お部屋を掃除し精算後、退室
- 出勤1時間前にお店に出勤確認の連絡
- 待機場所に入室し、予約が入るまで待機
- 予約時間になったら、お客様の指定された場所へ移動し接客
- 施術終了後、次の予約があれば次のお客様の指定場所へ移動
- 予約がなければ待機場所に戻る
- 退勤時間になったら、精算して帰宅



メンズエステの営業形態によって、出勤から退勤までの流れが異なるため、自分に合った働き方を選ぶことが大切です!
ワンルーム型は個人での準備が必要ですが、店舗型はスタッフがサポートするケースもあります。
出張型は移動が伴うためスケジュール管理が重要になります。
お客様対応の基本マナー
- まずはお迎えの挨拶をしっかりとする。 フリーのお客様であっても、数あるお店の中から選んで来てくれたことへの感謝を忘れずに対応する。
- 来店ペースは人それぞれ。 月に1回、週に1回、3日に1回と頻度は異なるが、どのお客様も楽しみに来店していることに変わりはないため、心から楽しんでもらえるよう努める。
- お客様の求めるものはそれぞれ違うが、金額以上の満足感を提供できるような気持ちで接客することが大切。
接客力が売上に直結する



キャバクラのナンバーワンが必ずしもお店で一番の美人とは限らないと言われるように、メンズエステでも同じことが言えると思います。
実際に、飛び抜けた美人や抜群のスタイルではなくても、指名で埋まるセラピストを何人も見てきました。 そうした方々は、優しい雰囲気や穏やかな空気感を持ち、強い「癒しの力」がある方が多いです。さらに、性格が良く、お客様に対して丁寧に向き合う姿勢が魅力になっています。
1人1人のお客様にしっかり向き合って接客することで、その雰囲気や想いは自然と伝わり、指名につながるのだと感じました。
トラブル時の対処法
- お客様とのトラブルが発生した場合は、すぐにお店に連絡する。
(ワンルームタイプではスタッフが近くにいないため、不安を感じることもあるかもしれません。もし普通ではないお客様が来た場合は、トイレに避難し、お店に連絡するのが安全です。) - 不要なトラブルを防ぐために、貴重品や私物の管理を徹底する。
(貴重品はお客様の見えない場所に置き、私物も手が触れられない位置に保管する。 また、お客様の貴重品はシャワーまで持っていってもらうことで、紛失やトラブルを未然に防ぐ。) - お部屋の不備や緊急事態も、必ずお店に報告・確認する。
(お店によって対応方法が異なるため、仕事中に困ったことがあれば、すぐにお店に相談することが大切。)
会話のコツ



お客様が話しかけても返事が薄い場合は、無理に会話を続けようとしなくても大丈夫です。
そのような場合、お客様は「話しかけられたくない」「リラックスして寝たい」と考えている可能性があるため、空気を読んで静かに施術を行いましょう。
一方で、話したいけれど話せないタイプのお客様には、積極的に質問をして会話のきっかけを作ることが大切です。
もし、何を聞けばいいかわからない場合は、「マッサージによく行きますか?」といった無難な質問から入るとスムーズです。そこから「どこが気持ち良いですか?」などの施術に関連した話題をきっかけに、お客様の日常について聞いていくと、次第に話しやすくなります。
また、自分の話ばかりするのは避けるべきですが、お客様によってはセラピストの話を聞くのを楽しみにしている人もいるため、適度に話すのはOKです。
場合によっては、架空の設定を作り、それを演じ切ることで会話が盛り上がることもあります。ただし、話の内容が矛盾しないように、何を話したか忘れないよう注意が必要です。
ストレスを溜めないためのメンタルケア
ストレスを溜めないためには、嫌なことがあっても次の日以降に持ち越さないことが大切です。
もし苦手なお客様や不快な思いをするお客様がいる場合は、早めにお店に相談し、NG(出禁)対応をしてもらいましょう。無理に我慢して接客を続けるよりも、自分のメンタルを守ることの方が大切です。お客様を逃すことになるかもしれませんが、ストレスで仕事を続けられなくなるリスクを考えれば、無理をしない方が賢明です。
また、嫌なことがあったとしても、そのお客様とは今後関わることがないので、気にしすぎずに忘れることが重要です。特に、嫌な思いをした日はたくさん寝てリフレッシュし、気持ちを切り替えることを意識しましょう。
お客様との距離感を適切に保つ
どんなに良い人だと思っても、個人情報(電話番号・LINE・本名など)を教えるのはNGです。
長く通ってくれているお客様でも、たった一つの個人情報から大きなトラブルに巻き込まれたセラピストは多くいます。プライベートを守るためにも、個人情報は一切伝えないよう徹底しましょう。
「お店に支払う分がもったいないから、外で直接会おう」と誘われることがありますが、面倒なトラブルにつながる可能性が高いため、必ず断りましょう。
もし「食事に行きたい」と誘われた場合は、お店の許可を取り、大丈夫なお店であれば、出勤時間内に施術の代わりに行くようにするのが安全です。
お客様の言葉を過度に信じすぎると、裏切られたときに大きなストレスを感じ、メンタルが不安定になってしまうことがあります。
お客様を大切にする気持ちは大事ですが、あくまで「仕事の範囲内」と割り切ることが重要です。 信じすぎず、適度な距離感を持って接客しましょう。
自分に合った働き方を見つけることが大切
お給料の条件だけに惹かれて、自分に合わないお店で無理をすると、ストレスが溜まり、長く続けられなくなる可能性があります。
店舗選びをする際は、働いているセラピストの特徴を参考にしながら、自分に合った
- 客層(紳士的な客が多いか、リピーター中心か など)
- 施術内容(密着系・オイル中心・衣装の指定があるか など)
- 施術料金(高価格帯か、リーズナブルで回転数重視か など)
をしっかり見極めましょう。自分に合う環境で働くことで、ストレスを抑え、無理なく続けることができます。
お店のスタッフやお客様の要望に合わせて無理なスケジュールで働き続けると、体力が持たなくなる可能性が高くなります。
特に業界未経験者は、一度の接客でも精神的・肉体的に大きな負担を感じることが多いため、最初は無理をせず、軽めのペースで働くことが大切です。
慣れるまでは短時間勤務や、休憩を挟みながらのスケジュールを意識し、自分のペースで仕事を続けられる環境を作りましょう。
セラピストとして働いていると、なかなか指名が入らず、一人で待機する時間が続くこともあります。 そのような状況が続くと、焦りを感じるかもしれません。
しかし、予約が入らないからといって、無理に過激なサービスをすると、メンタルが持たなくなり、結果的に仕事を続けられなくなる可能性があります。
指名が増えるまでの期間は、焦らず、自分のペースでできることに集中することが大切です。 SNSの更新やスキルアップ、接客の振り返りなど、指名を増やすためにできることを一つずつ積み重ねていきましょう。
メンズエステ業界のリアルな現状
近年、メンズエステ店やセラピストの数が増えすぎたことで、集客競争が激化し、一部の店舗では過剰な性サービスを行うケースが増えています。
しかし、店舗の担当者やお客様からそのようなサービスを求められたとしても、絶対に応じないことが大切です。 万が一違法な行為に加担してしまうと、摘発の対象となり、セラピスト自身にも大きなリスクが及びます。
健全な店舗を選び、ルールを守って働くことが、自分自身を守る最善の方法です。
最近、ニュースでも取り上げられることが増えているメンズエステでの美人局被害。これは、お店関係者とセラピストが共謀し、男性客を脅迫して現金を奪い取るという手口の犯罪です。
このような違法行為に加担してしまうと、警察に逮捕されるだけでなく、前科がつき、人生を棒に振ることになりかねません。
どんなにお金に困っていても、違法な行為には絶対に関わらないことが重要です。健全な店舗を選び、トラブルに巻き込まれそうな環境には近づかないように注意しましょう。